【ニュース速報】黒木瞳「ゴンドラが大好き。新婚旅行にヴェネツィアに行った素敵な時間を思い出すから」
「灯里センパイ、でっかい変わりましたね」
「何が?」
「それですよ。その下から睨むような目付き、でっかい余裕ないです。
シングルの頃だったら笑顔で流してましたよ」
「……疲れてるのよ。寝る暇も休む暇もなくて」
「灯里、会社を一人で運営するなんて無理なのよ。グランマやアリシアさんだから
出来た事であって」
「ほへぇ?私じゃ力不足って言いたいの藍華ちゃん」
「そうじゃなくて……たまには恥ずかしいセリフ言ったりして力抜いてさ」
「力抜いてたらアリアカンパニーが潰れちゃうの。それでなくても
お客さん減ってるんだから」
「…今の灯里センパイじゃ、案内されてもでっかい嬉しくないですから」
「こ、後輩ちゃん!」
「帰ります。私もでっかい暇じゃないんです」
「ちょ、後輩ちゃん……灯里、今日は会社休業にして休みなさいよ。
アンタこのままじゃ潰れちゃうわよ!」
「ウチが休めば売上げがそっちに流れるもんね…さすが支店長だね藍華ちゃん
…そんなに自社の売上げが大事?」
「灯里……灯里……もうダメなの私たち。晃さん達みたいにずっと仲良くいられないの……?」
-END-
私がアクアに来て、何度目かの冬が訪れました。
藍華ちゃんは姫屋の支店長として頑張ってるみたい。
この前も月間ウンディーネで特集記事が組まれてました。
アリスちゃんは、アリシアさんが抜けた水の三大妖精の
空席を埋めることになったそうです。
もちろん晃さんもアテナさんも元気いっぱい、
アリスちゃんに負けてなるものかと頑張っています。
そうそう、アリシアさんが赤ちゃんを産んだんだよ!
男の子と女の子の双子。とっても可愛いんだって。
アリア社長とまぁ社長の赤ちゃんもそろそろ産まれるみたい。
アリア社長は身重のまぁ社長につきっきりで全然帰ってきません。
仕方ないなぁ。
でも、本当に仕方ないんだけどね。
帰る場所もなくなっちゃったしね。
私は、今日マンホームに帰ります。やっぱりダメだったな。
アリシアさんやグランマみたいに上手くやれなかったよ。
グランマは笑顔で社屋の取り壊しを見てたけど、内心私を
責めてたんだと思う。
アクアの全ては奇跡でできてたけど、外から来た
私だけは例外だったんだね。
-END-
アリシア退職の後、アリアカンパニーの経営状態は一気に悪化した。
そもそもプリマデビュー直後で無名の灯里に仕事がそうそう舞い込むわけでもない。
また案内業していると社内業務が疎かになり、
「電話しても誰も出ない。潰れちゃったのかな?」
そんな噂が立って仕事は更に減った。
一番ショックだったのは、アリシアが自分の給与を相当な高額に設定していたことを
帳簿からみつけてしまった事だ。
その額は、シングル時代の灯里のおよそ20倍。わずかだった会社の資金も、
退職金名義で大半が消えていた。
ショックのせいか、灯里は自然に笑う事ができなくなった。せっかく来た客も、不自然な灯里の笑みを
気味悪がってキャンセルが相次いだ。
不幸はさらに続く。ARIA社長が行方不明になったのだ。ある朝、アリアカンパニーの
目の前の水路に愛用の帽子だけが浮かんでいた。
「こりゃ事故だな。可哀相に。でも泳げなくなるまで太らせた飼い主にも責任がある」
警察官は灯里に説教をして立ち去った。慰めの言葉の一つも、そこには無い。
電気も止められて薄暗い事務所の中で、灯里は鳴らない電話を何日も、何日も待ち続けていた。
五年後。
アリシアが子供と一緒にアリアカンパニーを訪れるとそこは廃墟だった。
呆然とするアリシアだったが、そこに一艘のゴンドラが。
灯里と社長は以前と変わらぬ様子でアリシア親子を出迎える。
「会社の場所が変わったんですよ。今お連れしますね」と灯里はアリシア親子をゴンドラに乗せ、漕ぎだす。
※ナレーション
「猫と少女のゴンドラ」
この数年で新しく噂されるようになった八不思議目。
近年、ネオヴェネチアで頻発するようになった行方不明事件の元凶と言われる。
かつて栄華を誇ったARIAカンパニーを任されたが、
業務に追われ過労死してしまった少女の死から始まったと噂される怪異。
猫と少女が乗るゴンドラには乗ってはいけない。そのままあの世へと連れて行かれてしまう。
灯里とアリシア親子の乗るゴンドラが霧の中に消えていく。
END
灯里病みすぎ(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
,. -──- 、 あ…ありのまま 今 起こった事を話します!
/ _ -v-- 、 \
/ / rv、 、`ヾヽ /ハ 『やっとプリマになれたと思ったら
l/ // | l l lヾヘマヽ アリシアさんが寿退社した』
/ /ー '^′`ー:: ┼l_」ヘ/|
H'´ ≡/////≡ | / | j な… 何を言ってるのか わからないと思いますが
l{ ::::: ┌─ ┐ :::::: 冂ヽ lく ワタシも何をされたのかわかりませんでした…
八 | | l´レj
/ /\ | | | | 頭がどうにかなりそうでした…はひっ…
〈_/ rく ` ー--‐ 7´:! {:{`ー、
/ノ´ ̄ミ / l/Ll:|:/⌒.ヽ ヒーリングだとか奇跡だとか
/,/ ノ~ー/ |: l:li ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてありません…
i/ゝ-‐゙, i |: //i ',
/ / __::人 __:ノ:/'´|:i ', もっと恐ろしいものの片鱗を味わいました…
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